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投稿1598 | ■Re:1597 レンジファインダーニッコール-S.C 5cmf1.4 日浦 2015/10/31(土)23:27

ゾナーF1.5とニッコールF1.4はその昔,フィルムしかなかった頃に撮り比べたことがありますが,おっしゃるとおりゾナーのほうがはるかにハロは小さくクリアですね.手元にオプトンのゾナーF2固定鏡筒と,戦前のイエナF2沈胴がありますが,これらも優れたレンズです.しかしニッコールと比べると,いいところ,悪いところがありつつも,F1.4/F1.5 ほどの違いはないように感じました.やはり,根は同じ設計のレンズというのを感じさせられます.

全体にこの頃のニコンは明るさを打ち出す一方で,ちょっと無理をしたレンズも多いかなと思います.例えばビオゴン 21mm は開放から中央府分はキレキレでハロも全く無いのですが,ニッコールの 2.1cm は割とハロがあります.3.5cm F1.8 は設計が新しいからか開放から結構まとまっていますが,それでもやはりハロはあり,F2.8 ぐらいにするとやはりすっきり感がかなり上がります.明るめのレンズは開放絞りから1段までは淡くても許す,という感じでしょうか.キヤノンも交えてスペック競争のようになってたところがあるかなと思ったりもします.ライツも明るいレンズは開放ではふんわりしたのが多かった時代なので,大口径レンズはそんなものだという共通認識もあったのでしょうね.その中ではやはりツァイスは図抜けていたと言わざるを得ません.あのF1.5の映りを1932年に実現していたのですから..

所有はしていないのですが,ニッコールのF1.5を試したことがあります.これはF1.4よりハロが小さいように感じました.やはりゾナーの構成ではF1.4は苦しいところがあったのでしょう.ツァイスが敢えて切りの良いF1.4にせずF1.5とした見識を感じます.ガラスの選択肢も当時はドイツのほうが豊富だったはずで,高屈折率ガラスへの依存度が高いF1.4/F1.5は苦しいところもあったかと思います.

ただ一方で,このころのニッコールにはやはり品質の高さを感じさせられます.いろんなレンズをとっかえひっかえテストすると,右の画質がいいのに左が悪かったりという,いわゆる偏心が見られることが結構あります.昔のレンズに限らず,ズームレンズなどもレンズが複雑に動くのでダメなものはほんとうにダメですが,古いニッコールではあまり感じません.偏心に敏感な解像力の指標で全数検査をしていたとか,「明るい暗箱」には昭和22年の5cmF3.5の歩留まりが32%に過ぎなかったとか書いてあり,厳しい経営環境の中でも非常に厳しい品質管理を堅持していたようです.ですので,かなり苦しい設計でありつつも絞るとガラリと変わる二面性がより際立つのだろうと思います.おかしな管理がされていないレンズではクモリも少ないのが,今の時代にクラシックレンズを味わう点でありがたいところです.

F1.1も開放は非常に個性的な映りですが,絞るとシャープになり,基礎的な収差はきっちりと抑えこまれていることを感じました.

ミラーレスの件ですが,これは本当に楽しく遊んでいます.フィルムを使っていた時に漠然と感じていたことがたちどころに明らかになり,実用で使う他にも,やたらとテスト撮影なんかもしました.ただ広角レンズでは撮像素子の前の赤外線カットフィルタや光学ローパスフィルタが悪さをしてレンズの実力が発揮されないという問題もあります.こちらのHPとはあまり連動させていないのですが,実は
http://monoblogue.nikomat.org
のブログのほうにもいろいろ書いておりまして,ちょうどそちらにミラーレス一眼でのあれこれをまとめておりますので,もしお暇でしたらご笑覧ください.

次のレンズのテーマをなににしようかと迷っています.上記の「ホンモノ」のゾナーF2の2本に加え,ニッコールも固定鏡筒と沈胴がありますので,「ゾナー祭り」みたいなのをしたいのですが,F2 は違いが微妙すぎてちょっとアレかなあ・・なんて思ったりもしています,笑

2.8cm F3.5 の白鏡筒と黒鏡筒の違い(というより3xx番台と7xx番台の違い)とかいうネタもちょっとあります..

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