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投稿1650 | ■Re:1648 ペルケオ 日浦 2016/1/1(金)23:21 |
フィルムの平面性は頭の痛い問題ですね.当時は「トンネル式」の思想が普及しておらず,フィルムの両端を直接,ボディ側と圧板で挟んでしまう「直圧式」のものも多いですから,カールによって真ん中がポコンと出てしまうことがあるようで,時々やられます.「これ,ちゃんと撮れてたらいい写真だったのになあ・・・」は,(実際にはそうでもないのかもしれないけど)どなたもご経験のことでしょうね.. 私見では,フィルムの安定性については以下のように感じています. ・69判よりは66判,66判よりは645判のほうが開口部が小さいので安定する傾向にある. ・直圧式に比べ,トンネル式(画面の両端を挟んでしまわず,ちょっと段差があり,少し遊びがあるもの)は,厳密には画面の端が後ピンになるがレンズの像面特性を考えると無視できるし,フィルムのカールによって画面の真ん中が圧板に押し付けられるので,ピント精度は最も安定している. ・直圧式でも,フィルムの端まで全部押さえてしまうものに比べ,画面ギリギリに細いレールがあり,その外側に遊びがあるタイプのほうが安定度が高い.フィルムが膜面を内側にして丸まろうとするとき,これを元の巻きぐせ(スプール軸に沿った方向のカール)でなく,長手方向に筒状になろうとする巻きぐせに変換する必要があり,その際,端の遊びが後者の形状を保ちやすくするのだと思う. そこで,これらを前提に, A:トンネル式 B:直圧式だが,レールが細く,その外側が遊ぶタイプ C:直圧式で,端まで押さえてしまうタイプ に分類すると,ダイキャストボディの新しいもの(パールIV, GS645, エンサインオートレンジ 16-20,戦後のイコンタシックス534/16)はAです.それに加え,戦前もののスーパーセミイコンタ 531 ( http://nikomat.org/priv/camera/ikonta/index.html )なんかでも,ちゃんと段差がありAです.段差も大きめで,巻き上げを軽くする意図もあったのかもしれませんが,こんなところもさすがツァイスです.そして,これのボディ設計をコピーしたパール II は,わかっていてやったのかどうか知りませんが,やはりAで,イコンタを真似て得をしている感じがします. マミヤシックスオートマットはBで,私も,フィルム安定度が高いように感じています(巷では,フォーカシングの原理のためフィルム安定度が云々,という情報もありますが,あたらないと思います).スーパーバルダックスもBに属します.どちらも悪く無いと思います. 問題はCで,ペルケオは,少し外側に溝風のくぼみはありますが,内側の押さえ部分が太く,効果がないのではと思います.目測カメラなので,無限遠でない限り責任の所在がはっきりしにくいですが,ピントが外れる原因として目測ミス以外にフィルムの浮動もあるかもしれません.エンサインの戦前のカーバインオートレンジもCで,これは画面に向かってダラダラと斜面があるような形で全然いけてません. ただし直圧式で助かるのは,フィルム面に磨りガラスをくっつけてピント調整をするときで,トンネル式はフィルム位置があいまいで困ってしまいます. GS645 は鳥居の固定機構がよくなく,斜めになったままで留まってしまうことがあるので要注意のように思っています.あんまり洗練された設計ではないですね.. ( ) |
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