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投稿2700 | ■Re:2699 色の知覚について 日浦 2021/7/22(木)14:36

狸おやじさま 日浦です.

大変言葉足らずだったことに思い至りました.

> > XYZ等色関数のRの分光感度は2つの山を持っていますが,これは人間のL錐体が2つのピークを持つためではありません.L, M, S どの錐体も山は1つです.

この書き方がたいへん良くなかったように思います.おっしゃるとおり錐体は単体で取り出すとおっしゃるように短波長に感度を持つようです.しかし眼球全体で考えると,水晶体が紫外線を遮断してしまいますので400nmより短波長域はほとんど見えません.この点について文献がないかと探したところ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cataract/28/1/28_08-006/_pdf
がありました.この文献の図1にあるように2歳でも450nmから透過率が下がり始め 400nm ではほぼ0になっており,よく知られているように加齢によって更に短波長ほど透過しなくなってしまいます.

錐体の感度のグラフにはいろいろありすぎて困るのですが,
https://ja.wikipedia.org/wiki/CIE_1931_色空間
の最初にあるような錐体感度のグラフは,ピークは1つです.このようなグラフは,水晶体など眼球全体としての分光感度と見るのが良いのだろうと思います(明示されていませんが).

わたしが前回,書いたのは,この事実(眼球全体として見ると,各錐体のピークは1つしかない)についてであります.また2つのピークを持つという論拠に
https://ja.wikipedia.org/wiki/CIE_1931_色空間#/media/ファイル:CIE_1931_XYZ_Color_Matching_Functions.svg
のような CIE1931 XYZ 等色関数のグラフが示されることがよくあるのですが,これは前述のように数学的処理の結果出来たもので,これはご理解いただいているようで大変失礼しました.

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2つのピークは持たないとはいえ,錐体感度の比率は知覚される色の点で重要になるかと思います.

> 説明には「赤錐体には青錐体より短波長側に第二の反応ピークがあるため、青より短波長の光に対しては、赤・青錐体に感度があり、緑錐体には感度がないという「紫」の視覚パターンを生じる。」とあります。

この点は確かにおっしゃるとおりであるかと思います.水晶体で減衰するとはいえ,その減衰はすべての錐体に対して等しく関与しますから,非常に強度が高い400nm付近の光を見たときに,赤の錐体の応答が少し生じることで,若干赤っぽく見えることはあるのだろうと思います.xy色度図
https://ja.wikipedia.org/wiki/CIE_1931_色空間#/media/ファイル:CIE1931xy_blank.svg
を見ますと,スペクトル軌跡の青側の端が,ちょっと赤い方に曲がっていますが,それがおっしゃる現象に関係しているのだと思います.このxy色度図は可視光と定められた範囲しか塗られていませんが,紫外域までグラフを伸ばすと,この端の曲がったところがもう少し赤い方に巻き込んで,白色点から見ると紫の方に回り込んでいるのだろうと思われます.

フィルムやカメラではどうかと言うと,実際には非常に感度が低い領域の現象ですから,色再現の点では他の部分を合わせるほうが優先度が高く,実質的にはケアされていないのだろうと思います.

表示(再現)の観点では,上記のように,xy色度図を紫外線領域まで拡張したとき(非常に強い紫外線を見たとき:危険ですけど)に,スペクトル軌跡がどれぐらい外へ(下へ)行くのか,それとも内側へ(白色点のほうへ)巻き込んでくるのかにもよりますけど,わたしの想像では(また,以下のグラフからもわかるように)緑の感度がある程度ありますので,ある程度彩度が下がり,RGBの混色で表すことが出来る紫に来るんじゃないかという気はします.
https://ja.wikipedia.org/wiki/錐体細胞#/media/ファイル:Cone-response-en.png

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